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腰痛、肩こり

肩の痛み

〇肩関節周囲炎

・病態
肩関節周囲炎は肩関節周囲の疾患群の総称で、五十肩と言われています。
発症までのプロセスはいまだ明らかではありませんが、加齢による回旋筋腱板の変性、血流障害が原因となり、健康上腕関節や肩峰下滑液包の滑膜に炎症が起こり、痛みによって関節を動かさなくなり拘縮になるとされています。

肩関節周囲炎の病期は大きく3つに分類されます。

  1. 疼痛と運動制限が出現する疼痛痙縮期(Freezing phase)
  2. 拘縮が強くなり日常生活動作に制限が出る拘縮期(Frozen phase)
  3. 疼痛、可動域制限が次第に軽快していく寛解期(Thawing phase)

疼痛痙縮期は10~36週、拘縮期は4~12ヶ月、寛解期は5~26ヶ月続き、通常は2年以内に拘縮や疼痛が軽快すると言われています。

・症状
肩関節周囲炎の主症状は疼痛と拘縮の運動制限によるADL(日常生活動作)障害です。
関節可動域(ROM)は特に内旋、外旋可動域が障害され、疼痛は睡眠中の疼痛(夜間痛)が伴います。
ADLは結髪、洗髪、洗体、更衣動作(結帯動作、ブラジャーを着ける、ズボンを穿くなど)が障害され、レクリエーション、スポーツ活動も制限されます。

 

◎肩関節脱臼
・病態
肩関節は人体において最も可動域が大きく、最も脱臼をしやすい関節です。アスリートなど活動性の高い若年者に多く、何度も脱臼を繰り返す反復性脱臼に移行しやすいです。
受傷の原因は肩に外転と外旋が同時に強く働く場合で、後方より押されて上肢を衝いて倒れたり、肩関節を直接強打して発生します。

・症状
症状は急性期の場合は急性炎症による、腫脹、熱感、疼痛、関節可動域制限を伴います。
炎症が治まるとスポーツ動作において疼痛、脱臼の不安感を訴えたり、寝返り、後方の物をとる、くしゃみをするなどで再脱臼するケースも少なくありません。

・治療
肩関節脱臼は再発のリスクが高い疾患です。その理由としては脱臼した際に周囲の組織や筋肉の付着部が損傷し関節の支持性が少なくなり、脱臼しやすくなります。
なので肩関節周囲の筋力(特にインナーマッスル)向上が不可欠です。

◎野球肩
・病態
繰り返しの投球動作によって、種々の肩関節構成体が損傷されて痛みが生じる疾患の総称です。
前方の痛みでは前方関節包、肩甲下筋や腱板、上腕二頭筋、棘上筋などが障害され、後方の痛みでは後方関節包、上腕三頭筋付着部などが障害されて起こります。
野球以外にもクロールやバタフライの水泳競技にもみられます。
肩関節を安定させる腱板や肩周囲の柔軟性低下などの原因によって起こります。

・症状
野球肩は原因となる病巣によって症状はさまざまで。軽度なものは投球後の張り感やだるさ、投球時痛があり、重度になると腕が上がらない、安静時痛などがあります。

・治療
肩甲骨周囲筋のタイトネスや肩甲骨、鎖骨のアライメント異常、ピッチングフォームの改善などがあげられます。
いつからか、どのような誘因で、どこが痛くなったか、どのような動作で悪化または、軽快するか、安静時の痛みか夜間痛かなどの情報で原因を絞り込んでいきます。
筋力の低下や関節の変形、筋肉の過緊張、年齢などの背景も考慮して必要に応じて筋力トレーニングやマッサージなど手技療法や電気などの物理療法、また日常生活での動作指導などを行っていきます。


肩関節周囲炎(五十肩)


腕を上げたり、背中に回すなど、一定の方向に肩関節を動かすと痛みが起こります。

痛みをおそれて動かさずにいると、しだいに肩関節を動かせる範囲(可動域)が狭くなり、衣服の着脱など日常生活にも支障が出てきます。

夜中に肩の痛みで目が覚めて、安眠できないことがあります。

ひどくなると関節に拘縮(関節を動かせる範囲が狭くなる状態)が起こり、腕の動きが制限されるようになります。

40〜50歳代で発症しやすいことから四十肩、五十肩とも呼ばれます。

同じような症状が現れる病気に、上腕二頭筋長頭腱腱鞘炎もあります。上腕(力こぶをつくる筋肉)に炎症が起こるもので、これは30歳前後に発症し、40〜50歳代で拘縮を起こすことがあります。


肩腱板断裂


腕を上げようとすると、痛みが走ります。

また、腕を動かすと、肩関節周辺に雑音を感じます。

上腕骨頭をおおっている肩腱板が、外傷や加齢、あるいはその上にある肩峰という骨と衝突することによって変性し、断裂を起こすものです。

中高年に多くみられます。

損傷の程度によって、完全断裂と不完全断裂に分かれます。


インピンジメント症候群


肩を動かすと痛み、ゴリゴリという雑音や肩がひっかかる感じがあります。

とくに、腕を肩より高く上げて外側に開いたとき、痛みが増幅します。

夜間、寝ているときに痛みが起こるのも特徴です。

スポーツや肉体労働で長年上腕を酷使してきた人に多くみられます。

上腕骨の上には、腱板と滑液包(少量の滑液を含む袋状の組織)があり、肩の関節の動きを滑らかにする役目を果たしています。

それらが肩峰の下で上腕骨頭に挟まれる現象を総称してインピンジメント症候群といいます。

インピンジメントとは衝突の意味で、腱板や滑液包が刺激を繰り返し受けることで炎症や小規模の腱板断裂が生じ、痛みを引き起こします。


石灰沈着性腱板炎・滑液包炎


なんの前触れもなく、突然肩に激痛が走り、肩や腕を動かすことができなくなります。

40〜50歳代の女性に多い症状です。

肩の腱板に石灰(リン酸カルシウム結晶)が沈着して、肩峰の下の滑液包に炎症が起こったものです。

激痛と腕の運動制限が、急激に起こるのが特徴です。

 

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